出産準備でチャイルドシートを選ぶとき、どんな点に気をつけたらいいの?
たくさんのメーカーや種類があり、どう選べばいいか迷ってしまいますよね。あまり深く考えずに見た目で選んでしまって「自分の赤ちゃんには合わなかったのかなぁ…」と思ってしまったり…
この記事を読めば「赤ちゃんとママに快適なチャイルドシートはどういうもの?」という不安を解消できます。
チャイルドシートの種類と取り付けかたについて解説|新生児から4歳
チャイルドシートの種類がたくさんあるのはなぜでしょう?
実は、初めて赤ちゃんを迎えるママ・パパにとっても、初めてのおばあちゃん・おじいちゃんにとっても、新生児をチャイルドシートに乗せるのは初体験となることが多いんです。
その理由は、チャイルドシートの法制化が始まり市販のチャイルドシートの安全性能試験結果を公表するようになったのは、平成13年度(2001年)
それ以前は、車の中で首も腰もすわっていない赤ちゃんは「抱っこ」したり「クーハン」(カゴ)に寝かせておいたりでした。
チャイルドシートの歴史
こちらに、カー用品専門メーカー「カーメイト」のチャイルドシートブランド エールべべの、「エールべべ ヒストリー」というページがあり、歴史は1985年(昭和60年)から始まっています。
チャイルドシートを選ぶかたにとって、チャイルドシートがどんどん改良されていく段階が、とても興味深い歴史だと感じました。
生まれてきて退院したら、おうちまで車に乗ることになる赤ちゃん。赤ちゃんにとって、一番安心な姿勢は「抱っこ」
しっかりと、やさしく包み込んで、ふわふわしてて、温かくて…
赤ちゃんをチャイルドシートに乗せるとき、出来ることならチャイルドシートに乗せないで「抱っこ」していてあげたいと感じることがあるかもしれません。
ですが、2000年からは6歳未満の子どもを車に乗せるときには、チャイルドシートを使うことが法律で決まっています。
チャイルドシートの車への取り付け方も「シートベルト固定」から「ISOFIX固定」に、変わってきています。
ISOFIXへの対応が「ある」車と「ない」車が混在しているのです。
なので、チャイルドシートも「ISOFIX対応あり」、「シートベルト固定」、どちらでも対応などもあるので余計にたくさんあるように感じます。
新生児から使えるチャイルドシート選びで注意すること
首も腰もすわっていない新生児の赤ちゃんを車に乗せるために、チャイルドシートの選び方について気をつけること。
- 赤ちゃんの安全性・快適性
- チャイルドシート設置の向き
- チャイルドシートの背もたれの角度
- 車への設置やベルトの取扱やすさ・操作性
使用性評価試験とは、ママでも簡単・確実に取り付けられるかの判定です。
また、日差しや音に配慮して赤ちゃんが快適に眠れる「日よけ」が装備されていたり、カバーを丸ごとお洗濯できたり、通気性に特化した本体だったり…
チャイルドシートの付加価値も、どんどん進化しています。
安心で安全、何より実用的で、誰が操作しても上手くできるチャイルドシートが、おばあちゃんとしては助かるなぁ…
間違っても、安全性能や使用性評価の試験の結果が「推奨せず」の判定のものを知らずに購入などということが起こらないようにしたいものです。
国の安全基準を満たさないチャイルドシートがインターネット上で販売されていることが、日本自動車部品工業会(東京)の調査で分かった。複数種類が出回っているが、国内の流通量ははっきりしない。いずれも正規品より極端に強度が低く、事故時の安全性はほぼ見込めないという。使用した場合、ドライバーは道路交通法に抵触する可能性があり、国土交通省は正規品を示す「Eマーク」を確認して購入するよう注意を呼びかけている。
引用 毎日新聞 2016.9.23記事
新生児から1歳までは後向きにチャイルドシートを設置
新生児から1歳頃までは、車の後部座席にチャイルドシートを設置して、赤ちゃんを後ろ向きにして乗せます。
後ろ向きで乗せることによって、赤ちゃんが背中全体で車の揺れや衝撃を受け止めることができるからです。
助手席にチャイルドシートを取り付けてしまうと、万が一の時にエアバッグが発動して赤ちゃんを傷つけてしまうようなこともあるんです。
大人が2人、赤ちゃんと一緒に車に乗るなら一人は後部座席にすわってあげたら運転手は安心して運転ができますね。
チャイルドシートを車に設置する方法は、「シートベルト取付」「ISOFIX取付」があります。
ISOFIXというのは、車に取り付けられた金属金具で直接チャイルドシートを固定する方式で、世界標準規格のことです。
シートベルト固定よりも、ISOFIXで固定ができたほうが簡単で確実に取付ができてチャイルドシートの安定感があります。その上、シートベルトで固定するよりも取付ミスがなくて安心で安全です。
まずは、車にISOFIXが付いているかどうかの確認です。
新生児から1歳頃までのチャイルドシートの背もたれの角度
車に乗せた時に赤ちゃんを事故の衝撃から守り、後部座席の空間も保てる角度は45度とされています。
首も腰もすわっていない赤ちゃんの腹式呼吸をさまたげず、背中全体で体を支えることができる角度が45度とされています。(日本小児科学会)
走行中の車の振動で赤ちゃんが前かがみになってしまうと、赤ちゃんは自分で向きを変えることができないので気道が圧迫されてしまいます。
赤ちゃんは、ちょっとのことでも泣き出したりしてしまうものですから、心地よい角度で安全に寝かせてあげたいですね。
チャイルドシートのバックルとハーネスの調節
チャイルドシートの取付が正しくできたら、次は赤ちゃんをシートに座らせてチャイルドシートのハーネスを装着します。
- 赤ちゃんを乗せてバックルをセット
- 赤ちゃんの肩にハーネスが回り込むように、高さの調節
赤ちゃんの扱いにまだ慣れないママにとっては、初めはドキドキしちゃう作業かも?
静かに座ってるくれるときもあれば、泣いちゃう日も…
1歳頃からのチャイルドシートの向きは前向き
新生児から乗せることができるチャイルドシートは、適応体重10kg未満(製品によっては9kg〜13kg)、身長は75cmまで後向きにして使いましたが、1歳頃から(製品によっては15ヶ月過ぎから)はチャイルドシートの向きは前向きです。
大人と同じように赤ちゃんの体型も、1歳頃は体重は○○kg・身長は○○cmなんて決まっていなくて、赤ちゃんそれぞれの成長があります。赤ちゃんの成長に合わせて赤ちゃんの座る角度や姿勢が正しく保てるように、タイミングよく前向きのチャイルドシートに替えてあげましょう。
わが家の長男の母子手帳を見返してみました。
生まれた時の体重:3168g 身長:48.9cm 平均したサイズの赤ちゃんで生まれました。
1歳0ヶ月の検診の記録は、体重:8.65kg 身長:73.0cm
10ヶ月と4日目の検診の時の記録
体重7.98kg 身長71.4cm
この時点で身長70cmを超えているんですねぇ…
新生児から乗せることができるチャイルドシートは、適応体重10kg未満、身長は70cm未満ですから上記の例に当てはめると、7.98kgの体重は適応していますが身長は10ヶ月検診の時点で適応を1cmだけ超えています。
- 新生児専用のチャイルドシートの場合、次のチャイルドシート(1歳から使える幼児用)を用意して1歳頃までに乗り換える
- 新生児から4歳までのチャイルドシートの場合は、背もたれや頭部のヘッドレストの位置を正しい姿勢の位置に換え、チャイルドシートを前向きに1歳頃までに置き換える
新生児から1歳まで使える乳児専用のチャイルドシートの取り付け
【新生児専用チャイルドシートの特徴】
新生児から15ヶ月まで使えるチャイルドシートは、軽量で車から外して持ち運べる赤ちゃん専用に作られているだけあり、チャイルドシート背もたれ分の長さが少なくて済むので、赤ちゃんを乗せる角度に無理がないところ。
チャイルドシートを選ぶ注意点の説明なのですが、初めてのママには文章だとイメージがつかめないと思うので、参考になる商品を載せています。
赤ちゃんをチャイルドシートに乗せてバックルを締めてからハーネスの位置を調節、そのあとに車にチャイルドシートを乗せて後部座席の3点式シートベルトで固定します。
シートベルトの腰ベルトは、チャイルドシートの上に巻きます。
お出かけする前に、おうちの中でチャイルドシートに赤ちゃんを座らせてベルトとハーネスの装着ができるので、赤ちゃんの様子をしっかり見ながら車に乗せる準備ができるんです。
車に乗せて固定するシートベルトの取り扱いは簡単なのですが、赤ちゃんの乗せ降ろしのたびにチャイルドシートの固定が必要です。
キャリーのまま車に乗せて、シートベルトで固定してそのまま使えるチャイルドシートですが、シートベルトの取り付けミスを防ぐため専用の台座あり、別売りになっています。
専用の台座はISOFIXが付いていて、チャイルドシート本体は車から外して使えます。
台座をISOFIXに固定してしまえば、シートベルトの取り回しをしなくても済むのでより安全で安心です。
車の中でベビーシートを使うには、台座があったほうが安心です!
赤ちゃんが眠ったまま、抱き起こさずにカゴごとお部屋に運べるのは助かりますよ。
別売りの台座を利用してISOFIX固定できる新生児用のチャイルドシート
新生児から1歳頃まで(製品によっては9kg〜13kg)使用するチャイルドシートの中で、別売りで台座が用意されていてISOFIX固定ができるタイプは、どのようなチャイルドシートがあるか調べてみました。
ブリタックス・レーマー BABY SAFE i-SIZE 発売2018/3
最新基準 i-SIZE R129適合
最新安全基準 i-Size (R129)では、生後15ヶ月までチャイルドシートの後向き使用を義務付けています
チャイルドシート本体のみで使用するときはシートベルトで固定して使うのですが、別売りの台座をISOFIXで車に固定することでシートベルトを使わずに、より安全で便利に使うことができます。
チャイルドシートをシートベルトだけでも固定できると、お出かけ先で赤ちゃんを別の車に乗せるシーンなどで、とても便利ですよ!
シートと日よけのカラーも豊富なので、そのままベビーカーに乗せてお出かけしたくなる気分です。
- 新生児〜15ヶ月(身長40cm〜83cm)まで使用
- 車の座席のシートの角度に合わせてチャイルドシートを適切な角度で装着できるように、角度調節機能が付いています。
- 大型の日よけが付いています。
- チャイルドシート本体を、別売りのベビーカーに乗せて使うことができます。(トラベルシステム)
BABY-SAFE 3 i-SIZE ベビーセーフ 3 アイサイズ
1歳のお誕生日をすぎた頃には、「ヨチヨチ歩き」や「よじのぼり」の可愛らしい幼児です。
新生児専用のチャイルドシートは卒業して、1歳頃から使えるチャイルドシートを用意します。
新生児から4歳頃まで使えるチャイルドシートの取り付けの操作性
新生児専用(ベビーシート)チャイルドシートと、新生児から4歳まで使えるチャイルドシートの大きな違いについての解説です。
新生児から4歳頃まで使えるチャイルドシートの使用性
身長40cm〜76cmを超えるまで&月齢が15ヶ月を超えるまではチャイルドシートを後ろ向きにして使います。それ以降は前向きにして使います。
- 1台で新生児用の後向き・幼児用の2通り(ベット型を含めると3通り)の使い方ができる
- チャイルドシートの台座は、ISOFIXで固定するタイプとシートベルトで固定するタイプがある
- チャイルドシートの本体は回転するタイプと回転しないタイプがある
- 日よけが付いているものと、付いていないものがある
たくさんのチャイルドシートの種類の中から、赤ちゃんとママのライフスタイルに合うチャイルドシートを選ぶための参考になるように、大きな機能別に分けてお伝えしています。
チャイルドシートの取付方法と後向き・前向きの置き換えかたの違い
- 台座の固定はISOFIX、本体は回転して前後の向きを換える
- 台座の固定はISOFIX・シートベルトのどちらでもできて、本体は回転して前後の向きを換える
- 台座の固定はシートベルト、本体は回転して前後の向きを換える
- 台座の固定はISOFIX、本体だけを取り外して前後の向きを換える
- チャイルドシート本体ごとシートベルトで固定する
シートベルトの取り付けの注意点
- 車は通常ELR式シートベルト
通常はELR機能ですが、シートベルトを全て引き出すとALR機能(自動ロック付き巻き取り装置)に切り替わり、巻き込み方向だけに動きます。
チャイルドシートをシートベルトで固定するときは、シートベルトを全て引き出してALR機能(自動ロック付き巻き取り装置)を利用すれば、チャイルドシートがグラグラしたり、緩みが出たりすることを防ぐことができます。
チャイルドシートの台座は固定・本体は回転式の取り付けメリット
新生児から4歳まで使えるチャイルドシートの台座が固定式のメリットは、新生児のために車に取り付けたチャイルドシートを4歳頃になるまで取り外す手間がいらない点。
台座の取り付けは、車にISOFIXの装備があるか無いかで【ISOFIX固定】【シートベルト固定】に分かれます。
- ISOFIX固定
- シートベルトで固定
新しく生まれた最新式のチャイルドシートには、シートベルトで固定する機能がないものもあります。
赤ちゃんを乗せる車にISOFIXの装備があるか無いかの確認を必ず先にしましょうね。
台座は固定して、本体は台座の上で回転するチャイルドシートは、赤ちゃんの乗せ降ろしのときにも安心です。
乗せ降ろしのときに本体をドア側に回転すれば、ママが赤ちゃんの正面でバックルや肩ベルトの付け外しができます。
チャイルドシート本体が回転できると、赤ちゃんが正しく座らせることができたかどうかの確認も安心。
それに、ママも無理な体勢をしなくていいんです。
台座は車のISOFIX装備で固定式、チャイルドシート本体は回転するタイプ
コンビのISOFIX固定式のチャイルドシート 新安全基準R129適合
軽自動車やコンパクトカーにオススメ!奥行きがコンパクトな回転式チャイルドシートです。
エールべべのクルットR ISOFIX固定式のチャイルドシート 新安全基準R129適合
日本製で購入後のトリプル保証が安心です。
チャイルドシート台座と本体一体型
チャイルドシートの台座と本体が一体型が発売されはじめたのは、2000年頃。
チャイルドシートの法制化が始まり市販のチャイルドシートの安全性能試験結果を公表するようになった平成13年度(2001年) 新生児でもチャイルドシートが必要になったときに生まれました。
そしてこの年度からチャイルドシートアセスメントが公表され、製品別の安全性能も比較して見ることができるようになりました。
それ以来、チャイルドシートはより安全性能が優れたものに改良され続けています。
台座と本体が一体型はそのまま別の車に乗せ換えることができて、軽いので実家用や予備にしておくのもいいかもしれませんが、赤ちゃんを乗せていない場合にもチャイルドシートをシートベルトで固定していないと走行中に動いてしまいます。
シートベルトで本体ごと車に取り付けるのだから、赤ちゃんの乗せ降ろしにはシートベルトの取り回しが不便と感じたりします。というわけでメーカーでも製造中止の製品が多くなりました。
まとめ
チャイルドシートの種類と取り付けの違いについて、チャイルドシートを選ぶ上でとても大切なことなので、最初に赤ちゃんを乗せる車にISOFIXの装備があるかを確認してみましょう。
- 新生児から何歳までの計画で使うか
- 車にはISOFIXがあるか無いかと、チャイルドシートの適合
- 赤ちゃんの安全性と快適性(走行中の車内は、安全性と快適性の適切な角度は45度)
- ママが簡単に確実に使えること
- 新しく購入するチャイルドシートは、安全で簡単にチャイルドシートを取り付けられるISOFIXが推奨されている
- 車がISOFIX対応になっていない場合は、シートベルトで固定するチャイルドシートを選ぶことになる
チャイルドシートの台座と本体の操作性
- チャイルドシートの台座は固定、本体が回転してチャイルドシートの向きや角度をえる
- チャイルドシート台座と本体ごと設置の向きを置き換える
チャイルドシートを車に正しく固定していないと、座席の上でずれたり万が一の時には放り出されてしまうことも…
メーカーのデモンストレーション用で、チャイルドシートの取り付けかたの動画が公開されてます。
購入してから見るのではなく、購入前の選ぶ段階で見ておくことをオススメします。
動画を見ておくと、取り回しかたや赤ちゃんへの扱い方のイメージがつかみやすくなりますよ。
初めて赤ちゃんをお迎えになるときのチャイルドシート選び、車やライフスタイルに合わなくて失敗?
取り付けが思ったより大変?
なんてことにならないように、ご自身が車に赤ちゃんを乗せるシーンをじっくりと考えてチャイルドシートを選びましょうね。