僕が陸上部の外部コーチをやりたいと思ったきっかけは、知り合いのお子さんが中学生になり陸上部に入部したことが縁で、休日にお子さんの練習をアドバイスなどをしたり一緒にトレーニングするようになったことが始まりです。
お子さんの陸上記録が成長することに一緒に喜びを感じ、中学校の陸上部顧問の先生にコーチとしての指導をしたいと志願しました。先生は快諾してくださり、校長先生の許可も出て部活にコーチとして参加できるようになりました。

ですが、 大学時代まで学んだ陸上の経験で走ることは指導できても、部活動として生徒に教える専門知識や資格はこの時点では持っていませんでした。
正式な資格として陸上コーチになるには、何から始めたらいいのだろう?
日本スポーツ協会「コーチ1」認定証と登録証を取得するまでの道のり
このような流れで今回は、部活動やスポーツクラブの陸上部のコーチ(外部指導者)として活動するために、JAAF 公認ジュニアコーチ養成講習会を受講し、日本スポーツ協会「コーチ1」の認定と登録を行うまでの手順や注意点についてを調べて自分自身の覚書としています。
また、同じようにジュニアコーチの認定証取得を目指しているかたの参考になればと思います。
JAAF 公認ジュニアコーチ養成講座講習会を受講するまでの流れ
小・中・高校生の部活動、地域のスポーツクラブ(スポーツ少年団)の競技者育成のための指導者を養成する講習会「JAAF 公認ジュニアコーチ養成講習会」を受講するまでの流れの最初に、まず 2つの受講条件があります。
- 受講年度の4月1日現在に、満20歳以上で現在陸上競技の指導に携わっていること、または将来陸上競技に携わる希望者あること
- 日本陸上競技連盟指導者養成委員会が認める者

僕の場合は現在、土日などの休日に部活のコーチとして活動していて年齢も条件を満たしています。そして日本陸連に加盟しているので、受講条件は大丈夫です。
『指導者養成委員会が認める者』とは?
ジュニアコーチ養成講座講習会の受講資格について、日本陸連 委員会情報のQ &A に参考になる質問と答えがありました。
■コーチとして、自身のキャリアに関すること
Q 陸上の競技経験がなければ、実際にコーチとして活躍することは難しいでしょうか。仕事で陸上競技について触れる機会があり、仕事のためだけにとどまらず興味が湧きました。無謀なことであるのはわかっていますが、自分で子供達に陸上の基本を教えることができたらよいなと思っています。しかし、陸上部やクラブチームに所属していたわけでもなく、 生まれてこの方陸上競技を体験したことがありません。そんな私でも陸上を教えられるでしょうか。なれるとしたら、どんな立場で、何から始めれば良いでしょうか。教えていただけると嬉しいです。
- A 中学・高校で部活動の指導に携わる教職員や地域で子どもたちを預かる指導者の中にも、陸上競技の経験を過去に持たないまま、日々優れた指導に当たっている人が大勢います。大切なことは、陸上競技を大切にする人たちのことを思い、常に学び続け、自己研鑽することです。指導者になりたいという志に加えて学ぶ意欲も高く、資質も持ち合わせておられるようです。
陸上競技は、すべてのスポーツにおける基本動作(走・跳・投)を含むスポーツです。そのため、専門種目の指導だけでなく、基本的な動きづくりや身体づくりなどの指導もとても大切であり、特に小中学校期では、多様な運動遊びやスポーツ活動を通して身体リテラシー※(本連盟の競技育成指針を参照)を育むことが求められています。身体を動かす楽しさや高揚感を味わわせ、こども達が陸上競技の虜になるような指導が求められます。それには、指導者が陸上競技を大切に思い、自らも身体を動かしながら共に楽しむ姿勢が重要です。
指導者はこども達の競技パフォーマンスを高めるとともに、人間としての成長をサポートすることも大きな仕事です。本連盟では、「公認ジュニアコーチ養成講習会」を各地で開催しており、走・跳・投の基本動作や技術、コーチングに必要な理論を学ぶことができます。機会を捉えて、是非とも参加をご検討下さい。
陸上経験のない方が指導者を目指したいと意欲を燃やす。人と違った視野を持つ陸上競技のファンが一人増えたということです。是非、一緒に陸上競技を盛り上げていきましょう。
出典:https://www.jaaf.or.jp/development/coachlicense/juniorcoach.html
開催日程一覧を見て専門科目の開催地を選ぶ
開催は日本全国で行われていますので、最寄りの開催地と日程を考えて選ぶことになります。
開催地 : https://www.jaaf.or.jp/files/upload/202205/02_143333.pdf
(出典 : JAAF日本陸上競技連盟)
- 共通科目
2日間の日本陸連が開催するオンライン講習会(自宅で受講できます)
1日目 9:00〜18:00 (12:00〜13:00 昼休み) - 専門科目
2日間の都道府県陸協が開催する集合講習会(筆記試験・実技指導)

専門科目の集合講習会は全国各地の会場で実施され、2日間とも 9:00〜18:00 カリキュラムなので、会場までのアクセスによっては宿泊して参加することも想定されます。
開催日程 (更新2022.05. 9)
申込期間 : 共通科目開催初日の2ヶ月前(8週間前) 〜5週間前まで
■ 申込開始 6月4日(土) – 6月25日(土) ■ | 開催期間 | ||
共通科目オンライン講習 | 第1会場 | (北海道/大阪) | 2022年 7月30日(土) – 7月31日(日) |
専門科目 集合講習 | 北海道 | 厚別競技場と円山競技場 | 2022年 8月12日(金) – 8月13日(土) |
大阪 | 万博記念競技場 | 2022年 8月12日(金) – 8月13日(土) | |
■ 申込開始 7月10日(土) – 8月 6日(土) ■ | 開催期間 | ||
共通科目オンライン講習 | 第2会場 | (埼玉/茨城/東京①) | 2022年 9月10日(土) – 9月11日(日) |
専門科目 集合講習 | 埼玉 | ||
茨城 | 龍ケ崎市陸上競技場 | 2022年10月15日(土) – 10月16日(日) | |
東京① | |||
■ 申込開始 8月20日(土) – 9月10日(土) ■ | 開催期間 | ||
共通科目オンライン講習 | 第3会場 | (岩手/岐阜/青森/山形) | 2022年10月15日(土) – 10月16日(日) |
専門科目 集合講習 | 岩手 | 北上陸上競技場 | 2022年11月 5日(土) – 11月 6日(日) |
岐阜 | 長良川スポーツプラザ(13日) 長良川陸上競技場サブトラック他(26日) | 2022年11月13日(日) /11月26日(日) | |
青森 | 青森県総合運動公園 陸上競技場室内練習場 | 2022年11月19日(土) – 11月20日(日) | |
山形 | 山形大学 | 2022年11月19日(土) – 11月20日(日) | |
■ 申込開始 9月24日(土) – 10月15日(土) ■ | 開催期間 | ||
共通科目オンライン講習 | 第4会場 | (新潟/宮城/群馬) | 2022年11月19日(土) – 11月20日(日) |
専門科目 集合講習 | 新潟 | デンカビッグスワンスタジアム | 2022年12月 3日(土) – 12月 4日(日) |
宮崎 | ひなた宮崎県総合運動公園 ひなた陸上競技場 | 2022年11月27日(日)/12月10日(日) | |
群馬 | 正田醤油スタジアム群馬 | 2022年12月10日(土) – 12月11日(日) | |
■ 申込開始 10月 8日(土) – 10月29日(土) ■ | 開催期間 | ||
共通科目オンライン講習 | 第5会場 | (愛知/岡山/栃木) | 2022年12月 3日(土) – 12月 4日(日) |
専門科目 集合講習 | 愛知 | 中京大学 | 2022年12月10日(土) – 12月11日(日) |
岡山 | 総社北公園陸上競技場 | 2022年12月10日(土) – 12月11日(日) | |
栃木 | カンセキスタジアムとちぎ | 2022年12月17日(土) – 12月18日(日) | |
■ 申込開始 10月15日(土) – 11月 5日(土) ■ | 開催期間 | ||
共通科目オンライン講習 | 第6会場 | (静岡/山口/東京②) | 2022年12月10日(土) – 12月11日(日) |
専門科目 集合講習 | 静岡 | 静岡県草薙陸上競技場 | 2022年12月17日(土) – 12月18日(日) |
山口 | 維新スタジアム | 2023年 1月 7日(土) – 1月 8日(日) | |
東京② | |||
■ 申込開始 11月26日(土) – 12月17日(土) ■ | 開催期間 | ||
共通科目オンライン講習 | 第7会場 | (山梨/京都/鹿児島/三重) | 2023年 1月21日(土) – 1月22日(日) |
専門科目 集合講習 | 鹿児島 | ジャパンアスリート トレーニングセンター大隅 | 2023年 2月 4日(土) – 2月 5日(日) |
山梨 | 小瀬陸上競技場 (JITリサイクルインクスタジアム) | 2023年 2月18日(土) – 2月19日(日) | |
三重 | 三重交通G スポーツの杜伊勢陸上競技場 | 2023年 2月25日(土) – 2月26日(日) | |
京都 | たけびしスタジアム京都 | 2023年 2月25日(土) – 2月26日(日) |
専門科目開催初日の初めに共通科目の検定試験が行われる
開催最終日の終わりに専門科目の検定試験が行われる
※ 試験はテキスト等の持ち込みはできません。
受講の申込をする
各会場の共通科目開催初日の約2ヶ月(8週間前)〜5週間前までに、日本陸上競技連盟ホームページの moshicomより受講の申込みをします。(イー・モシコムは会員登録が必要)
※ 先着順で定員になり次第の締切なので、開催日の2ヶ月前になったらすぐに申し込んでおいたほうが良いでしょう。
※ もしも満員になってしまい申込ができない場合、会場の収容人数、実技科目実施時の指導の質が確保できる場合は調整で増枠が可能なので連絡を。
☎︎ ジュニアコーチ連絡担当窓口:042-319-2263(平日10:00〜17:00)
受講料の納入
受講の申込み後、受講料の納入をします。
- 申込区分 A. 共通科目・専門科目受講:27,500円(税込)+決済手数料
- 受講料の支払いと同時に、指定の講習用テキスト代の納入
(共通科目1) 4,400円(税込)
※ 講習用テキストは、講習会の1ヶ月前頃に受講申込者に送付されます。
※ 支払方法は、クレジットカード払い、Amazon pay、コンビニ払いの中から選べます。
>>>アマゾンギフト券でAmazon pay支払いができます。
JAAF公認ジュニアコーチ講習会のために事前に用意するもの
JAAF ジュニアコーチ自宅学習
- 使用する参考図書を購入
JAAF公認ジュニアコーチ指定テキストを用意します。
>>>陸上競技指導教本アンダー13 楽しいキッズの陸上競技
>>>陸上競技指導教本アンダー16・19 初級編 基礎から身につく陸上競技
- オンライン講習を受講するための「ZOOM」
- 『【大会前/提出用】新型コロナウイルス感染症についての体調管理チェックシート』
https://www.jaaf.or.jp/pdf/development/coachlicense/2022/check_sheet02.pdf
1週間前から記入し専門科目講習会の当日に受付に提出します。
5点の事前課題を自宅学習
- 課題1 コーチとしての成長計画の作成
※ 共通科目オンライン講習の「指導者の役割と責任」で使用する - 課題2 安全管理に関する課題
※ 共通科目オンライン講習の「指導計画と安全管理」で使用する - 課題3 部活動および地域クラブの発展に関する課題
※ 講習会当日に「部活動の運営と地域クラブ」で使用する - 課題4 ハンマーの作成
※ 「ハンマー投」の講義で実技で実際に回して投げるので安全面を考慮し作成し、当日に必ず持参する
- 課題5 各種参考資料を用いた学習https://www.jaaf.or.jp/pdf/development/coachlicense/2022/jrc_task.pdf
※ 課題1〜課題3 は共通科目初日の2週間前までにメールで提出します。
PDFファイルまたは画像ファイルを添付し fukyu-info@jaaf.or.jp 宛てに送信
メールの件名には受講会場と氏名を記載する
■ 共通科目の準備について
- メールでの課題提出後、共通科目初日の1週間前の金曜日までに共通科目受講案内のメールが届くのでメールの案内に添って準備をします。
- このメールにオンライン講習のZOOMへアクセスする為のURLも記載されています。※講習会中はカメラを常時オンにしての受講です。
■ 専門科目の準備について
- 専門科目開催日の約1ヶ月前に、日本陸上連盟ホームページに「受講案内通知」が掲載されるので、この案内に添って準備をします。
- 講習会当日、受付に『【大会前:提出用】体調管理表・症状チェック表』を提出します。
JAAF公認ジュニアコーチ養成講習会と試験のカリキュラム
事前準備を整え事前学習を行い、いよいよJAAF公認ジュニアコーチ養成講習会の日を迎えるまでに、具体的にどのようなカリキュラムなのかを把握しておきたいと思います。
https://www.jaaf.or.jp/pdf/development/coachlicense/2022/jrc_schedule_sample.pdf
- 共通科目 スポーツリーダー養成講座 35h (集合 14h/その他 21h)
オンライン講習です。届いたメールのURLからZOOMをで接続します。 - 専門科目 40h (集合講座30h/その他 10h)
共通科目初日の1ヶ月前に受講案内が掲載されるので確認します。
講習会当日には、準備しておいた『【大会前・提出用】体温管理表・症状チェック表』を受付に提出します。 - 自宅学習(事前課題)の提出など
https://www.jaaf.or.jp/pdf/development/coachlicense/2022/jrc_task.pdf
JAAF公認ジュニアコーチ養成講習会の検定・審査
全てのカリキュラムを修了したあとに検定・審査が行われます。

検定試験は、共通科目・専門科目ともに審査6割以上で合格しなければ『JAAF 公認ジュニアコーチ養成講習会終了者』として認められないという検定・審査で、つまり共通科目・専門科目の両方に合格しなければならないということです。
- 検定試験 共通科目は、日本スポーツ協会の判定・審査(6割以上)
- 検定試験 専門科目は、日本陸上競技連盟指導者養成委員会による技能検定を主体に筆記試験等を加えた総合判断(6割以上)
共通科目・専門科目の両方に合格すると『JAAF 公認ジュニアコーチ(日本スポーツ協会公認陸上競技コーチ1)養成講習会修了者』として認められる。
JAAF公認ジュニアコーチ養成講習会の検定合格後の手続き
めでたく合格し『JAAF 公認ジュニアコーチ養成講習会』の終了者となった後は、指導者登録をしなければ、日本スポーツ協会公認「コーチ1」としての認定証・登録証は交付されません。
■ 資格認定
共通科目・専門科目の検定に合格し「JAAF 公認ジュニアコーチ(日本スポーツ協会公認陸上競技コーチ1)養成講習会修了者」となり、指導者登録を完了(登録の申請・登録料の納入)をすると、登録完了から4ヶ月以後の4月1日付または10月1日付で、日本スポーツ協会より「コーチ1」として認定され、講習会後約3ヶ月程度で「認定証」と「登録証」が交付されます。
■ 登録
検定・検査の合格後、日本スポーツ協会へ登録料を納入する
- 日本スポーツ協会公認スポーツ指導者資格登録料:14,000円
(内訳は日本スポーツ協会10,000円+日本陸上競技連盟 4,000円で、この金額は 4年分となります) - 初期登録料:3,000円
※ 2023年4月1日登録からは 3,300円(税込)となります
■ 更新
指導者としての登録有効期限は 4年間で、資格の更新は資格有効期限の 6ヶ月前までに日本スポーツ協会または日本陸上競技連盟の定める更新研修を受ける
- 資格登録後は 4年ごとに更新料が必要となる
更新料:14,000円 (4年間分)
(日本スポーツ協会 10,000円+日本陸上競技連盟 4,000円)
まとめ
公認指導者資格有資格者には、U18、U16陸上競技会や日本選手権の安価な席種が無料になる競技大会入場特典が用意されていたり、外部コーチとしてのステータスが獲得できます。
※ JSPO発行の指導者登録証と写真入りの本人確認書類(免許証、保険証など)を入場ゲートで係員に提示。
また、スポーツ庁により中学・高等学校の部活動での技術的な指導に従事するための指針も制度化されていますので、これから部活の外部指導者へのニーズも高まっていくかもしれません。
https://www.mext.go.jp/prev_sports/comp/b_menu/shingi/giji/__icsFiles/afieldfile/2017/10/30/1397204_006.pdf

これまで陸上選手としてのタイトルがなくても、生徒たち、子どもたちに陸上競技の楽しさを教えていきたいという方には、公認ジュニアコーチのチャンスは訪れるのかもしれません!
■ JAAF 公認ジュニアコーチ養成講習会を受講し、日本スポーツ協会公認スポーツ指導者資格に登録するまでに必要な金額
受講料:27,500円+決済手数料
公認スポーツ指導者養成テキスト(共通科目1)テキスト代
登録料:14,000円+初期登録料 3,000円
■ 自宅学習の課題で必要な指定テキスト 2冊
指定テキスト代 2冊:1,980円+2,090円
JAAF ジュニアコーチ養成講習会の申込から受講し、審査に合格・認定、日本スポーツ協会公認スポーツ指導者資格登録までの流れを書いてみました。
2日間にわたる専門科目 集合講習会は、1日目・2日目共に朝 9:00〜 夕 18:00まで行われます。なので会場までの移動距離によっては前泊で臨むことも考えられますね。

僕の場合は始発電車を利用しても朝 9時に間に合う会場は見つからないので、前泊からの二泊三日で考えています。
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