毎月の公共料金はできれば節約したいところですが、そもそも引越しをする訳でもないのに家のガス会社を変更することなんてできるの?
2017年4月から、都市ガス小売の自由化が始まりました
今までは都市ガス会社は、政府が認めた地域ごとの1社(導管事業者)だけが独占して販売していました。政府が認めた都市ガス会社は日本全国で209社だけでした。
中でも大手の都市ガス会社は、東京ガス、大阪ガス、東邦ガス、西部ガスでこの4社だけで70%以上のシェアを占めています。なので、もともと都市ガスを使っているお宅は、ガス会社を自由に選択するなどということを、考えることもなかったわけです。
H25年資源エネルギー庁の資料
都市ガスの料金格差はなぜ?
同じ都市ガスでも、地域によって、またガス料金の事業者ごとに料金格差があります。
都市ガスは、ガス導管を通じてガスを家庭に届けています。
ガスは液体の状態で海外から輸入してきて港に着きます。そして気化する加工をされてパイプラインで運ばれます。
港から近いガス導管が通じている人口密集地域や工業地区とその周辺は、都市ガスエリアというのが多いですよね。同じ都市ガス供給エリアでも地域によって、ガス導管(引き込み)が長くなったり、新築の際に公道からガス管を引きこむには自分の家のためというわけにはいかないような工事費が必要になったりします。だから件数が少ないと料金に差が出てきてしまいます。
例えば、大型分譲住宅は都市ガスの引き込みなのに、隣接しているのに分譲住宅ではない土地はLPガスだったり。
都市ガスの導管が引き込めない山間部や、人口の少ない市町村などではLPガス(プロパンガス)を配達して家庭に届けています。都市ガスの導管を引き込むより、LPガスを配達した方が費用がかからないということですね。
今までの都市ガスには、使用量に応じて㎥単位料金が安くなっていく逓減型(ていげんがた)料金制が採用されていました。ガス会社の製造や輸送コストなどを含んで算出する総括原価方式で、経済産業省の許可をもって決められていました。契約者の支払うガス料金の中には、ガスが届くまでの経費が含まれているイメージです。
都市ガス自由化が始まって総括原価方式 ではなくなり、ガス会社がそれぞれに小売価格を設定することができるようになったのです。
都市ガス小売自由化ってどういうこと?
地域に割り当てられた1社以外の会社も政府の許可を取れば都市ガスの販売を始めることができるようになった。これが2017年4月から始まった都市ガス自由化なんです。
地域の1社独占ではなく消費者が自由にガス会社を選ぶことができるようになれば、ガス会社はより良いサービスと適正価格を消費者に提示することになっていきます。
これまでの価格設定ではなく、料金プランなどの独自のメニューを私たち消費者に提供してくれることで、自分の家にとってより良いサービスを選ぶことができるということです。
東京ガスの場合も、都市ガスの1地域1社(導管事業者)の他に既存のプロパンガス会社が平成29年4月付で登録ガス小売事業者の届けを政府に提出してどんどん参入しています。
都市ガスの自由化は、都市ガスの小売の自由化なのでガスのパイプラインや今までの導管(ガスの引き込み)事業者は今までと同じです。
今使っている都市ガスのメーターの会社を変更するだけで?
資源エネルギー庁の資料によると、都市ガス会社ごとの料金格差は関東では最大3.25倍もあるのだそうです。どうして?と思いますよね。
同じガス管から出る都市ガスなのに何が違うの?と思いますよね。
これは、安いから質がよくないガスなどということはなく同じガスなのですが、ガス会社のサービス内容の違いによるものが大きいそうです。
変更に伴う工事などをするのではなく、契約会社を選んで変更の申し込みをするだけでガス会社の変更ができるのです。
今、ご自宅のガス機器は何種類くらいお使いですか?
私の家の場合、キッチンではビルトインコンロ、お風呂や洗面はガス給湯器(野外壁掛)追い炊き機能付
よく考えたらガスを使っているのはこの2種類でした。
もし、ガスをたくさん使う特定のガス機器を使っている場合などには機器割引というものがあるそうです。割引やサービスがガス会社を変更した時にも継続できるのか?
新たなサービス内容は、自分の家に合うものか?
ガス・電力の自由化によってのセット割の価格があったりして、そのサービスは本当は安くなったのか高くなったのか自分の家庭に合っているか、フクザツです。
東京ガスの検針票がお手元にあったら比べてみるといいかも!
レモンガスの料金プラン
一般家庭ではA表かB表の使用量が多いそうですが季節やライフスタイルにより夏場は15㎥の使用量だったのに、冬場になったら50㎥だったということもよくあるのですよね。
どんな契約でどれくらいの使用量なのか、検針票を見ながら比べるのが分かりやすいと思います。
今まで使っていた同じガスを買うのですから、基本料金や単価が安い方くてお得な方がいいですよね。
東京都・神奈川県・埼玉県にお住いのかたはチャンスかも
一般契約ではレモンガスは東京ガスより安くなるそうです。
ガス料金と電気料金のセット割などに契約していて自分の家ではどこが安くなっていてどこが高くなっているのか、把握できていないかたも比べてみるといいですよ。
これから寒くなる季節を迎え、お風呂や台所のガス使用量は増えますよね。
今使っている契約がうちには合っていると確認して、安心してガスを使った方がお得な気持ちにもなれます。
緊急事態はどうなる?
地震が起きて地中のガス管からガス漏れが起きた!とか、ガス漏れがしているというような、すぐに対応しなければいけない事故や故障には、導管の管理と家庭まで引き込んだガス管のトラブルには導管を管理している地域のガス会社が担います。つまり今までの都市ガス会社です。
どこかのガス管が壊れて自分の家のガスが出ないというようなトラブルの時は、ガスの導管は繋がっているので地域で別々のガス会社を選んでいても、東京ガスのような地域の導管管理のガス会社が行うのです。
これはガス自由化の法律の中で定められています。
緊急性の低いガスのトラブル、例えばお風呂のお湯が出ないとか、ガスコンロがつかないなどはガス小売会社が行います。
自由化で契約ガス会社を変更すると小売部門と導管の管理者は別のガス会社になる
ガス会社を変更した場合は、ガス機器の点検や故障時の対応、利用開始の時のガスメーターなどの初期設定などは、変更したあとのガス会社(ガス小売事業者)が対応します。
緊急事態やガス漏れなどの時には今までのガス会社(導管事業者)が対応します。
今使っているガス管(導管)はそのまま
ガス会社を変更したらどうなるだろう?と心配事も浮かんできますよね。
ガス会社を変える?ガス切れになる心配はないの?
ガス管(導管)をいじるわけじゃないから、ガス会社を変えてもガス切れは起こらないよ
安くしますって言われて、変なガスが来たら困るのではないの?
ガス管(導管)は今までと同じだから、ガスの質は同じだよ。急に止まることもないし、安くしたからって異臭がするようなガスが出てきちゃうなんて心配はお門違いなんだよ
新しく変えたプランで契約した会社が倒産!そういう心配はないの?
長い間、政府の政策に守られていた都市ガスが、今回の小売自由化で都市ガスを売りたい会社が独自のサービスを掲げて参入してきているけれど、小売の自由化とガス管(導管)の保守を別々にしたのが自由化です。
毎月のガス料金の支払先がなくなってしまっても元々のガス管は引き込まれているので、ガスが止まることは無いよ。
ガスメーターは変えなくちゃいけないの?
変えるなら費用が必要になるよね?
ガスメーターもそのままだよ。
だから費用の心配はないから大丈夫
お手元にガスの検針票を用意して見比べてみよう
一ヶ月のガス使用量と基本料金をチェックしてみましょう。
生活スタイルを考えて料金チェックしてみるといいと思います。
料金プランをどういうふうに計算するのかチェックすると、家計節約のチャンスになるかもしれませんので、ぜひ見てくださいね。
新しいガス会社を調べる時に注意しておきたいこと
- 新規参入会社などは、名前も知らなかった会社もあるかもしれません。なので、社名や連絡先をしっかり確認しよう
- 契約期間について、プランの契約は1年契約なのか2年契約なのかとか自動更新なのか?契約期間が満了した時の更新の手続きはどうするのか?解約したい時は解約料などが発生するのか、など。契約期間や解約については詳しく見ておこう。
(例えば、携帯電話も一定の要件を満たしたら安いプランなどもありますよね) - 警報機などのリース商品はどうなるかきちんと確認しましょう。
難しい手続きはありません
新しいガス会社に申し込むと、新しく契約したガス会社が元のガス会社に契約の手続きをすることになっているので、今まで使っていたガス会社に解約手続きをするなど、めんどうな手続きが不要なところが助かります。
こちらに詳しく書いてありますので、お手元にガスの検針票を用意して見比べてみると参考になりますよ。