合宿免許で第一段階の教習所|仮免許取得までのあるあるエピソード1

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第一話の「合宿免許で運転免許証を取りに行った初日の教習所あるあるエピソード」に引き続き、第一段階から仮免許取得までのパート1を書いてみました。

仮免所得までの第一段階には、技能教習1〜23までの項目があります。今回は技能教習の7まででの出来事です。これから合宿免許を取りに行くかたの参考に、また運転免許のあるかたは、教習所を思い出して笑っていただけたら幸いです。

合宿免許|第一段階 仮免取得編part1

教習生の朝は早い。

毎朝7時に「ガガぉはようございます。おはよう朝食の準備ができました。食堂の方へ、どぞ。」とアナウンスが流れ、教習生たちが部屋から放たれるのだ。

食事を済ませ、各々時間割に合わせて準備を整え、宿泊所から出る送迎車に乗り込み教習所へ向かうという流れになっている。

路上教習を行うにあたって必要となるものが仮運転免許証、通称仮免である。

この仮免を取得することで、運転免許取得のための路上練習が可能になる。そのため教習所内での教習を行う第一段階では仮免取得が目標となるのだ。

仮免許取得までの第一段階|技能教習1~6

各時間の教習にはそれぞれ番号が振られており、一つの番号をクリアすると次の番号の教習を次回行うという形になっている。教習所内で行う教習のうち、1番から6番は車を運転するための基本のようなもので、車の乗り方、正しい運転姿勢や操作の仕方から発進と停止、速度の調節など、トントン拍子に進む。癖の強い教官との所内ドライブを満喫といった感じである。

この時点では延泊の「え」の字も頭にないほどに気楽だ。

この後に第一段階最大の難関が待ち受けていることなど夢にも思わずに合宿ライフを送っていた。

第一段階 教習項目1〜23までのうち7まで

  1. 車の乗り降りと運転姿勢
  2. 自動車の機構と運転装置の取り扱い
  3. 発進と停止
  4. 速度の調整
  5. 走行位置と進路
  6. 時期をとらえた発進と加速
  7. 目標に合わせた停止

仮免許取得までの第一段階|技能教習7 最初の難関

復習項目がついた。

これまでの順風満帆な合宿ライフと別れを告げることになった。

復習項目とは、その単元で習得するべき技術を十分に習得することが出来ず、次回に持ち越しにされることである。つまり同じ内容の教習を二度受けることになるのだ。この初復習項目になった教習は、「7番 目標に合わせた停止」という項目である。

復習の欄に番号を書かれたのを見て、最初は「あー、残念だなぁ。でもまぁ次クリアすればいいか。」と多少落ち込みはしたものの、そこまで気にしていなかった。実際この7番はこれまでの6番までの教習よりも難しかった。要するに停車するために左に寄せていき、停車位置でまっすぐに止まるというだけの内容なのだが、左に寄せすぎて車体が縁石にこすったり、寄せすぎないようにと意識していると今度は全く寄せられなかったり、停止位置の目安として置かれたポールの手前を過ぎるか、大幅に手前で停止するかといった有様である。

そして迎えた2回目の7番、江戸っ子のような口調が特徴的な比較的若い教官を隣に、やっぱり車体をこすったり、寄せられなかったり、停止位置に止められなかったり。失敗するたびに横で崩れ落ちる教官。

「だはぁぁ……、もう手ェ膝の上!いいかい?」

と横からハンドルを片手で握り鮮やかに停止する教官。あなたは神なのか。神に手本を見せていただいては失敗し、また手本を見せていただく。何度も失敗し、ポールのある道をひたすら往復するうちに信じられないことが起きた。涙が出てきたのである。

ちょっと個人的な話をするが、私は普段あまり泣かない。ましてや人前では泣き顔を晒さない主義で生きてきた。(だって恥ずかしいんだもん)それが教官と二人きりの密室空間で、涙を流しているのである。

私は激しく動揺した。(泣いたところで出来るようになるわけじゃない、むしろ涙で視界を曇らせていては何も見えやしない。すぐに泣くのをやめろ。)と脳内で必死に自分に命令しながらなんとか教習終了直前にポール前に停車することに成功した。

「お疲れぃ、まぁさ、この停止はさ、これからもやる機会はたくさんあるからさ。」

と言いながら達成項目に「7」と書いてくれた教官。いや、神。なんとかクリアできたという安堵で堪えていた涙が零れだす。もう止められなかった。

「出来なさに、不甲斐なくなったかい?」

と教官。うまくできなくて悔しいと涙声で応える。

「その悔しさを、俺たちにぶつけてみなぁ。」、「出来るようにしてやっから。な。」

か、神~~~~~~~~~~!!!!!!!!

なんて力強く優しい言葉なんだろう。好感度爆上がりである。顔も唐沢寿明に見えてきた。

江戸っ子の唐沢寿明に慰められて余計に涙が出てきた。

「まぁ、ちょっと落ち着いてから帰んな。んじゃ、お疲れぃ!」

と颯爽と去る唐沢寿明。また明日この教官に当たれたら嬉しいなと思いながら、外のベンチで涙腺が落ち着くのを待つ。普段泣かないからか一度泣き出すと小一時間は止まらないのだ。ようやく涙が止まり、よし帰るぞと受付の兄さんに教習簿を渡すと兄さんが一言、

「あ、ARENさん一回復習になったから一泊伸びますね。」

………は?一泊伸びる?それってつまり延泊ってことですかね?と思ったことをそのまま口に出すと、

「うん!ATなら一回復習になるごとに一泊、MTなら三回復習で一泊延長になるね。」

なんじゃそりゃぁ!!!!!

衝撃の事実だった。

延泊の条件については全く聞いていなかった。なんということだ、第一段階の技能教習は全部で23個。そして私が復習をとった項目は7番、半分もいっていない。半分もいかないうちに延泊が確定してしまった。ショックだった。正直最短日数で卒業するのは難しいだろうとは思っていたが、いざ延泊が確定すると中々精神的にダメージを受ける。それもたったの7番目でのことだ。この先もっとレベルアップしていく教習に、果たしてついていけるのだろうか。復習復習の連続になるのではないか。

教習簿の復習項目の欄に教官の判子がずらりと並んだパン祭りのような光景を想像した。こんなに嬉しくないパン祭りはない。判子を集めたところで貰えるものは延泊だ。

その晩、私は早々に布団に入り、車なんて運転できなくたっていいじゃないか、そもそも簡単じゃないし、誰でも免許取れるよ~なんて言った無責任野郎はどこだ!出てこい!と鍵をつけたtwitterで荒れ狂いながら眠った。第一段階の上り坂の始まりであった。

 

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